骨董と棲む蔵
Tsukuba, Ibaraki, Oct 2005
筑波地方独特の表現で、建物と敷地のバランスがよい様子を「ぶっぺい」といいます。そんなぶっぺいの屋敷には土蔵があり、農村集落風景のアクセントになっています。
「骨董と棲む蔵」は、つくばの伝統的風景に馴染むとともに現代のまちなみにとってもアクセントを与えるものとしてデザインしました。
その一つが、かつて土蔵に使われていた「置屋根」です。
しかし、単なる見た目の再現ではありません。
置屋根は夏の陽ざしを遮るエコロジカルな屋根です。
今時の通気層と断熱材を使った遮熱に配慮した仕様よりもはるかに優れたデータが出ています。
壁は内外壁とも珪藻土壁にしています。
これも見かけでなく室内の調湿機能を考えてのことです。
外観だけでなく機能面での蔵の再現を試みています。
空間構成は敷地と道路のレベル差を活かすことによる多層空間になっています。
スキップフロアとすることで、内部空間のつながりと開放感が生まれ、建物全体の一体感が得られます。
柱、梁、床に用いた無垢の木の重厚な素材感と白い珪藻土の明るくプレーンな壁と天井が、骨董品を引き立てるプライベートギャラリーとして機能します。
室内に坪庭を設けました。浴室からもこの坪庭を眺めることができます。
設計:時空遊園 環境・建築研究所
施工:伊東工務店
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